Diretor Interview (ジョン・ルーリーインタビュー)その1

ジョン・ルーリーとの対話
インタビュー・文/谷川建司(映画ジャーナリスト)


――さて、とりあえず来日が何回目か?というあたりから。’91年にコム・デ・ギャルソンのファッション・ショーでモデルをやられた時は僕も会場にいたんですが――。

ジョン・ルーリー() ライヴには一回も来てないのかい(笑)!


――スミマセン(笑)。今度必ず!

 えーと、最初に来たのは’82年で、バンドで10回くらい来てるかな。後はこういったキャンペーンでも何回か。


――デニス・ホッパーやマット・ディロンはギャルソンの仕事で一緒だったんですよね。その辺りからが彼らとの接点のきっかけだったんでしょうか?

 いや、マットとはお互いにニューヨークだからずっと古い付き合いだ。最初に会ったのがいつだったかは忘れたけれど。……だから彼とのエピソードを撮った時には、彼とはもうジム(・ジャームッシュ)と俺の関係と同じくらいに親しかったんだ。


――ほかのゲストの人たちとはどんな風に友達になったのでしょうか?

 ジムとはもちろん一番付き合いが長くて、おそらく20年以上になるだろう。トムとはどうして知り合ったんだっけな?二人ともプロモーターが一緒なんだけど、確か最初に彼と会話したのはLAでラジオに出演したときに彼から電話をもらったんだと思う。その後NYでライヴをやった時に彼が来てくれた。マットとはおなじニューヨーカーとして顔なじみだったし、ウィレムもそう。彼とはミュージック・ビデオの仕事であったことは合ったんだが、親しくなったのは『最後の誘惑』の時だね。ともかくニューヨークに住んでる者同士だと始終顔を合わせるものなのさ。デニスと知り合ったのは君が行ったという東京でのショーの時だよ。


――各エピソードを見ていて、ゲストの仲間たちとの呼吸がぴったり合っていると思いましたが、やはり各人そういう具合に個人的に親しい関係になっていたことが大きいわけですね。このシリーズでは製作、演出、主演、そしてもちろん音楽のすべてをこなしているわけですが、音楽や演技は別としてこれまでに映像メディアの演出を経験されたことはあったのでしょうか?

 ちょっとした短編映画を2本ほど作ったことがある。バンドのビデオ・クリップとしてなんだけど、まあ大して経験があるわけではないよ。


――それはいつ頃でどんな内容だったんでしょうか?

 大昔のことで、まあ内容的にはパンクっぽい映画だな。俺はずいぶん前にドキュメンタリーというか、映画の撮影現場の裏側を記録するようなものを撮ってみたくて準備したことがあるんだが、これは実現しなかった。


――今回の経験によって演出というものに病みつきになったとか、今後長編の劇映画を撮ってみたいと思うようになったというようなことはありますか?

 と言うより、俺は長いこと映画を撮りたいと思ってきたし、少なくともここ2,3年のうちに実現させたいと思ってるんだ。


――具体的な企画を持っているんでしょうか?

 ニューヨークを舞台にした話で、2、3種類のヴァージョンをすでに考えてあるよ。


――ぜひ早く見てみたいですね!

(つづく)



……ジョン・ルーリーのインタビュー、いかがでしたでしょうか?この続きは明日またUPいたします。
次回はジョンが肝心の釣りについて語ります。お楽しみに!

(このインタビューは1998年に収録されたものです)

投稿者: 編集長 日時: 2007年03月13日 13:59